こんにちは、しろみです。
前回の日記の続きです。
今回も長いです。
決戦:伊豆半島横断は睡魔との戦い
30分ほど滞在してPC2を出発。次のPC3は熱海です。PC滞在中にすっかり日は落ちてしまったので、ここから夜間走行スタート。夜間走行自体は慣れっこ。写真はほとんどないのでひたすら文章ですすみません。
富士宮市、富士市を抜けるまでは基本的には街の中を抜けていきます。道中のなんてことないはずのアップダウンにもしんどくなるくらい疲弊していても、雨がやんでいるというだけで随分走りやすくなるものです。暗くてウエットな路面には、気を付けないといけないけれど。
ところが、富士市を抜け沼津までひたすら海沿いの防風林のそばを一直線に走り続ける10km弱の区間に入ると、道に変化が無くなり、街灯も減り、暗いなかをひたすら走るなかで急激に眠気に襲われました。
まずい。
時間の貯金を稼げる快走路なのでスピードも上がるんですが、眠すぎて着いていくのがやっと。
頭を振ったりお気に入りの曲を脳内で鳴らしてテンションアップを図ってみたりほっぺた噛んでみたり。のみおんさんにダル絡みふっかけた記憶もあります(ごめんなさい)
やっとの思いで沼津市に入り、市街地を抜けて函南へ。ここから熱海に向かって伊豆半島横断です。
キューシートに記載の鷹ノ巣トンネルは『熱海峠』という峠ですが、入り口にたどり着くまでにまたも眠気が。塩分タブレット(以下:塩タブ)をひたすら食べつづけたり、持ってきていた虫除け用ハッカスプレーを顔の近くにガンガンつけてみたり信号で止まる度に全力でほっぺつねってみたり走りながら変顔したり……
いま考えれば、停まってコーヒー入れるなり仮眠するなりやりようはあったと思うのですが、ただでさえ迷惑をかけつづけてるのにそんなことは出来ないと思ってしまって、ひたすら持っているものでごまかしまくります。
このあたりが400kmのなかで1番つらかったです。時刻は深夜と呼ばれる時間……冷静に考えて朝6時からごはん食べる時間以外はひたすら自転車漕ぐことしかしていない……なにしているんだわたしは。いや考えちゃだめだ。我に返ったら心が折れる。負けだ。
ハンドルにスマホホルダーを付けているので、信号ストップのときにフォロワーさんから頂いたリプライを見てました。これがすごく励みになるんです。ブルベ出る前はランドヌールさんたちのツイートに1日中走ってるのにめっちゃリプ飛ばされて対応大変じゃないかな、と思ってたりしたんですけど、個人的には、応援してもらえるととっても嬉しいんですね。めげそうになったときの心の支えになります。
熱海峠は各自のペースで登ることに。登りで頑張っちゃう癖のあるわたしはほどなくして1人旅となりました。
斜度はそこそこ(他の方によると4~5%らしい)のですが地味に長い。たまに車は通るし路面も広いのですが、山のなかで真っ暗。視界は自分のフロントライトが照らす範囲だけ。そして雨上がりの山道には霧がかかっており、視界には前を1人のランドヌールさんが走っているようで、霧の向こうにリアライトの赤い光がちらちらと見えたり消えたり。まっ暗闇の中走るのは北海道で経験あったから恐怖心とかはなかったのは幸いでした。
ひとりで深夜、闇の中をひたすら登り続けるなんて、
わたしはどうして
こんなことをしているんだろう?
しかも道がわりと直線的なこともあり、登りが永遠に続くように感じられます。登り始めからゴールのトンネルは8㎞くらい、それが永遠に感じる。いや普通になげえよ8㎞も。
視界は悪く、疲労で力は出ないのでよろよろと登る、延々と続く暗闇のヒルクライム。いつしか睡魔がやって来て、漕いでいるのか、夢を見ているのか、境目が曖昧になってきました。
まずい。今度こそ、まずい。
なんとか先に進むと視界にファミマが見えてきました。後ろの3名との距離は少し間が空いているようで、振り返ってもフロントライトの灯りは見えません。1本道だし、ここで1人止まってもすぐリスタートすれば追い付けるだろうと踏んで、よろよろとファミマにピットイン。チオビタを飲んで(何故かコーヒーは敬遠した)、軽くストレッチ。店主さんらしきおじいちゃんに『さっきから沢山自転車が登っていくよ。何の大会?』と聞かれてありのまま答えたら驚かれました。ですよねーわたしもびっくりだよ自転車でオールナイトで400km走るなんて。
おしゃべりしてくださったおかげで、眠気もだいぶひっこみました。
さてリスタート。3名とも休憩中にコンビニの前を順に通過していきましたが、わたしがコンビニにいることは気付いていなかったようですので追いかけます。そこまで離れていなかったようでほどなくして追い付いて、ひと安心。てっぺんのトンネルまでは約2㎞、再び睡魔が来るのが怖いので、ここからは一緒に登りました。
ようやくたどり着いた鷹ノ巣トンネルは1㎞以上続くおっかないトンネルなのですが、真っ暗ななか登りつづけたわたしは「やったーー!!(照明で)めっちゃあかるいぞーーー!!!」とハイテンションで通過しました。残念ながらあたまがおかしくなってしまった。
しかしトンネルを抜けたら再び闇の世界へ放り出されてしまったのでした。しかも激坂のカーブ。本当に怖かった……フロントライト2灯とも最大に明るくした。
無事に熱海市街に入ったときはなんだか人間世界に帰ってきた感覚がしました。千と千尋の神隠しのあのトンネルを抜けたような。いいかい絶対振り返ってはいけないよ。いや言われなくても振り返りたくないです。
仮眠を図るも、まさかの……
PC3!!!熱海きた!!!!うひょー!!!!!!
ねむい。 pic.twitter.com/PvAPCFS10d
— しろみ@宗谷岬600完走 (@notechan_cyan) June 23, 2018
PC3 セブンイレブン熱海銀座町店に到着。レシートの時刻は23:25、貯金は1時間7分。ここが最後のPCなので、足切りはここが最後。あとは通過チェックを一か所回って、27時間経過するまでにゴールすれば完走認定です。擦れによる痛みがだいぶひどいことになっていたので、PCのお手洗いをお借りしてプロテクトJ1をぬりぬり……雨と汗とで、既にレインウェアの中までぐっしょりしていました。
小田原まで行って仮眠するか、ここで仮眠するかの話し合いがあったのですが、だいぶ疲弊している(主にわたしが)ことから、ここで仮眠をとることにしました。PC3の側にあるジョナサンにピットイン。
駐輪するときにいつもの鍵をサドルバッグからじゃらじゃら取り出したらドン引きされました。
愛用のチェーンロック『ごんぶとちゃん』です。1.5kgくらいあります。だってこれしかないんだもの。
食事を注文して、運ばれてくるまでみんなで机に伏せます……が、
「仮眠目的のご利用はご遠慮いただいております」
と速攻で店員さんに注意されてしまいました……
死んだ魚の目でカルボナーラを食べ、ヘロヘロもへじさんとこしさんのご厚意で意識を飛ばさせていただきます。滞在時間のうち、15分くらいは眠れたかな……完全に意識は飛ばせないけれど、もういろいろ限界で動けませんでした。
1時15分、寒さを覚えながらリスタート。PC3のクローズ時間は0:32なので、およそ45分の借金を背負いました。時間の借金、つまり急いで走らないとタイムオーバー。
次の通過チェック(以下CP)・湘南国際村まで約80㎞、仮想クローズ時刻は5時32分。CPでは足切りはないので仮想のクローズ時刻に遅れても問題ありませんが、CPからゴールまでは信号だらけでグロス15㎞がやっととのこと。つまり実質CPの仮想クローズ時刻に間に合わない時点で完走はほぼ不可能になります。疲労困憊の状態で、グロス20㎞近くを出さないといけない……
真っ暗な伊豆山を超えて(熱海からの最初にがつんと来る坂で脚は悲鳴を上げた)、神奈川に入り、湯河原へ。もう足も疲労困憊だけど、足を止めるわけにはいきません。熱海から先のR135、R1は一度通ったことのある道だから、幾分気は楽でした。夜通るのは初めてだから、真っ暗でびっくりしたけれど。小田原まではアップダウンがあるけど信号はほとんどないし、R1に入れば基本的には平坦だから、だいぶペースはあげられるはず。
ところが、小田原にたどり着いて、R1の街灯の多さに安堵したのも束の間、ジョナサンで起き続けてわたしたちを仮眠させてくださったお二人に睡魔が襲い掛かります。さらに再び雨が降り出してきて、再びレインウェアを着用。ついに靴のなかに雨が染みてきて不快感MAX。そしてペースが上がらないので信号に捕まることが多く、思ったように時間の借金返済ができません。
やばいやばいやばい。
なんとか次のキュー、大磯駅入口交差点に到着。
右折して、R134へ。その前にこの交差点にあるファミマでカフェインを入れます。
スタートからの累計走行距離は320㎞を超えました。途方もない距離すぎて、実感がわかない。通過チェックまではあと35㎞、借金は約30分残っています。
320km越えた。借金約30分。
ここまできたらふんばるっきゃないでしょ pic.twitter.com/34S4qCW2pm— しろみ@宗谷岬600完走 (@notechan_cyan) June 23, 2018
あと35㎞を1時間45分で走れれば間に合う。正直へとへとですが、あと100km切ったところまで来たいま、完走したい。
認定が欲しい。
諦められない。
もう一周回ってハイだよ。OK!自慢のワザ「からげんき」!!
その3へ続きます。次でおわります。
次回「スプラッシュ湘南国際村マウンテン」
コメント
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